ロータス・エスプリSEの5速ギヤをハイレシオに
エスプリのルノーミッション5速ギヤの交換は車載状態で可能
Owner:k氏
Report:k氏
2006/04
(左写真 上マーカス5thギヤキット/下:STD5thギヤ)
マーカス(P.U.K.Esprit Racing-Germany)の5thギヤキットです。ストックの0.82から0.75にハイレシオ化します。
多分、V8の5thギヤと同じ物だと思います。(購入時50k円程でしたが、現在大幅値上げされユーロ729-もします)ギヤの山を数えてみると、ストック32:39=0.8205、PUK31:41=0.7560です。
各部の寸法を測ってみると全高はストックと同じですが、V8パワーのための強化策でしょうか、歯の幅が拡がっています。
エスプリのルノーミッションはヨーロッパの365ルノーミッションのように、元々4速の物に5速を継ぎ足したような構造で、5速部分+セレクターシャフトが別のケース(リヤカバー)に収まっています。
よって、このカバーを外せば5速ギヤの交換は車載状態で可能です。
EXサイレンサー、シフトケーブル、トランスレーター等を取り外すとアクセス出来ますが、その前に、最大の難関…トランクパネル取り外しがあります。パネルそのものはどうてこと無いのですが、右フェンダー内のハーネスカプラー取り外しが地獄です。何をするにもこれのおかげでなかなか取りかかる決心がつきません。今回も覚悟を決めるのに4ヶ月を要しました。
リヤカバーを開けるリヤカバーを開ける前にプラグを外して5速セレクターシャフトのリテーナースプリングとボールを取り出します。
リヤカバーにはガスケットパッキンが付いています。排気熱でダメになっているかと思いきや、きれいにメインケース側で剥離しました。再使用決定です。
プライマリーシャフトとセカンダリーシャフトのナットを緩めます。サービスノートに従ってリバースギヤと前進ギヤの何れかと5速ギヤを同時に入れて回り止めにします。ドライブ側のスプライン嵌合外しも某国産ミッションほど強く無く、対角2箇所の隙間からマイナスドライバーを差し込めばゆっくりと外れてきました(実際はプーラーの爪を掛けるだけのクリアランスは無い)。
厚さ12mmくらいありそうな鉄のベアリングリテーナープレートを加工して歯幅が拡がった新規ギヤとのクリアランスを確保します。プライマリーギヤ側を1mm、セカンダリー側1.5mmフライス加工でストックと同じクリアランスになります。鉄工所が休みだったのでボール盤にエンドミルを付けてやってみたら上手くいきました。ドライブ側はなぜかテーパーにしてみました。
シンクロを含めて、他にこれといった損傷は無かったのでギヤ以外は再使用で組み付けます。スプラインとナットにネジロックを塗布し、プライマリーシャフト135nt.m、セカンダリーシャフト200nt.mで締め付けロックナットをかしめます。
リヤカバーにシール材(今回は耐熱カッパー入り)を塗布し、ニュートラルポジションでセレクターレバーをシャフトに入れ組み付けます。
最後にギヤオイルを3リットル入れて終了ですが、ギヤオイルの銘柄選択に迷います。ロータス指定のMobil 630Mは廃盤、その後S4から指定されたCastrol TAF-Xは量販店でよく見かけるものの、中身は富士マッシモ製との噂があり本国物とは別物らしいと聞きました。
店員は量販店Castrolは全て富士興産だと言ってました(…しかしこれが悪いというわけではない、あくまでロータス指定の物ではないということ。Valaoline、elf、Duckums、motul等は本国物らしい…)。
このあたりいろんな噂が飛び交うが、サービスノートには「この2銘柄のみしかだめよ、純正リプレイス部品として用意した、パーツリストにも載っている」となっている。(Lotus part No.A082F6552S)PUKで入手可能なので一緒に注文しとけばよかった。仕方がないので近いスペック(エステルフルシンセ、GL4・GL5両方に適合、マルチグレード等)の物を探しました。わずか数銘柄見つけましたが、独自の添加剤テンコ盛りブランドは避け、よく聞くメーカー製の出来るだけ普通の物にしました。
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